高知県公立大学法人規程集

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高知県立大学における公的研究費の不正防止に関する規程
(趣旨)
第1条 本規程は、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」を踏まえ、高知県立大学(以下「本学」という。)における公的研究費の取扱いのうち、高知県公立大学法人業務方法書第18条第1項第1号に定める内部牽制機能による研究費の適正経理を確保するための対応、研究費の不正防止及び研究費の不正使用が生じた場合における適正な対応等に関する事項を定める。
(定義)
第2条 この規程において「公的研究費」とは、次の各号に定める資金をいう。
(1)国若しくは国が所管する独立行政法人等又は地方公共団体若しくはその外郭団体等から研究事業を目的として受入れをした公的資金
(2)共同研究又は教育研究事業の受託により受入れをした資金
(3)奨学寄付金のうち教育研究を目的として使用する資金
(4)民間企業又は財団からの研究助成金
(5)本学で配分される研究費及び研究旅費のうち、教育研究を目的として使用する資金(6)前各号に掲げるもののほか、研究費と認められる資金
2 この規程において「教職員等」とは、次の各号に掲げる者をいう。
(1)高知県公立大学法人職員就業規則第2条に定める教員及び一般職員
(2)本学又は高知県公立大学法人と他の事業者との請負契約その他の契約等に基づき、本学における業務に従事する者
(3)他機関等に所属し、本学における業務の分担及び協力等を行う者
(4)前各号に掲げる者以外で本学業務に従事する者
3 この規程において「不正使用」とは、故意又は重大な過失による、公的研究費の他の用途への使用又は本学の規程、法令並びに競争的資金等の交付の決定の内容及びこれに付した条件等に違反した使用をいい、証拠隠滅又は調査の妨害を含む。
(公的研究費に携わる教職員等の責任)
第3条 公的研究費に携わる教職員等は、「高知県立大学における公的研究費の使用に関する行動規範」を遵守しなければならない。
(機関内の責任体制)
第4条 本学の公的研究費の最高管理責任者は学長とし、高知県公立大学法人会計規程第16条に定める本学における予算責任者を兼ねる。
2 最高管理責任者を補佐する統括管理責任者は、研究執行統括管理責任者として副学長、経費統括管理責任者として事務局長を置く。
3 不正防止コンプライアンス推進責任者は高知県公立大学法人高知県立大学組織規程第2条に定める本学の部局長とする。不正防止コンプライアンス推進責任者を補佐する者として、当該部局の教授職位にある者の中から、不正防止コンプライアンス推進副責任者を置くことができる。
(責任者の責務と権限)
第5条 前条に定める責任者の役割と権限は、以下のとおりとする。
2 最高管理責任者は、公的研究費の管理運営について最終責任を負う者として不正防止対策の基本方針を策定・周知するとともに、それらを実施するために必要な措置を講じる。
3 経費統括管理責任者は、最高管理責任者を補佐し、公的研究費の管理運営について本学を統括する実質的な責任と権限を持つ者として不正使用防止対策の組織横断的な体制を統括するとともに、基本方針に基づき、本学全体の具体的な対策を策定・実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を最高管理責任者に報告する。
4 不正防止コンプライアンス推進責任者は、各部局等における公的研究費の管理運営について実質的な責任と権限を持つ者として経費統括管理責任者の指示の下、次に掲げる業務を行う。
(1)部局等における公的研究費の不正防止対策を実施し、実施状況を経費統括管理責任者に報告する。
(2)部局等の公的研究費の運営及び管理に関わる全ての構成員に対し、コンプライアンス教育を実施し、受講状況を管理監督する。
(3)部局等において、構成員が適切に公的研究費の管理・執行を行っているか等をモニタリングし、必要に応じて改善を指導する。
5 不正防止コンプライアンス推進副責任者は、不正防止コンプライアンス責任者を補佐し、不正防止コンプライアンス教育の実施、運営を円滑に推進する。
(事務処理手続き)
第6条 公的研究費の運営及び管理手続きについては、高知県公立大学法人会計規程、高知県公立大学法人契約事務取扱規程、高知県公立大学法人旅費規程、高知県立大学謝金等規程、高知県立大学競争的資金等事務取扱要領、その他関連規程により取り扱うものとする。
(研究不正防止委員会)
第7条 最高管理責任者は、研究費不正の防止を推進するために、高知県立大学研究不正防止委員会(以下「不正防止委員会」という。)を組織する。
2 不正防止委員会に関する事項は別に定める。
3 不正防止委員会は、不正使用を発生させる要因を調査・把握し、不正防止計画を策定する。
(不正防止計画推進部署)
第8条 不正防止計画を推進するため、不正防止計画推進部署を地域連携部企画調整課に置く。
(不正防止の取組み)
第9条 不正防止計画推進部署は、ガイドラインの関連規定の主旨を踏まえ、公的研究費の不正な使用等を防止するため、不正防止コンプライアンス推進責任者と連携し、各号に定める取組を行うものとする。
(1)研修会等の実施
   不正使用を防止するため、コンプライアンス教育にかかる研修会の開催その他適当な方法により、教職員等の規範意識の向上を図るものとする。
(2)誓約書の提出
① 公的研究費に携わる教職員等に対し、定期的に誓約書の提出を求める。(様式1)
② 一定の取引実績のある業者には、本計画の内容を周知するとともに誓約書の提出を求める。(様式2)
(3)不正防止計画の実施
   第7条で定める不正防止計画を実施するものとする。
2 総務部財務課は、不正防止コンプライアンス推進責任者と連携し、財務会計システムのデータに基づく公的研究費の執行状況、教職員等と取引業者との癒着や過度な発注の偏り等のモニタリングを適宜実施するものとする。
3 総務部は、不正防止コンプライアンス推進責任者と連携し、出張、謝金等の支払いに関する証憑をもとに当該事実の確認の抽出調査を適宜行うものとする。
4 経費統括管理責任者は、公的研究費の適正な使用の確保を行うため、毎年度内部監査を実施するものとする。内部監査を実施する監査担当者は高知県公立大学法人内部監査規程第5条で定める室員を中心に、経費統括管理責任者が指名するものとする。
5 経費統括管理責任者は、公的研究費が適正に使用される環境が整備されているか否かについても、監査を行い、問題がある場合には改善策について最高管理責任者に報告する。
(相談窓口)
第10条 本学における公的研究費の事務処理手続き及び使用に関する内外からの相談窓口を総務部財務課及び教育・学生支援部に置く。
(通報窓口)
第11条 学内外からの公的研究費の不正使用の告発に係る情報提供並びに相談等に対応するため通報窓口を設置する。
2 通報窓口は、総務部に置く。
3 通報窓口の利用は、電話、電子メール、ファクシミリ、書面又は面会のいずれかによるものとする。
(告発等の取扱い)
第12条 不正使用の疑いがあると思料する者は、通報窓口に告発を行うことができる。
2 教職員等が自らの職務において不正使用を知り得たとき、又は報道や会計検査院等の外部機関からの指摘による場合も前項と同様に取り扱うものとする。
3 通報窓口は、原則として告発者の氏名、所属、住所等並びに研究者等の不正使用の態様及び内容が明示されたものを受け付けるものとする。ただし、通報者はその後の調査において氏名の秘匿を希望することができるものとする。この場合において、告発者のうち、氏名の秘匿を希望したものに対しては、通報窓口を通じて通知するものとする。
4 通報窓口は、匿名による通報があったときは、研究者等の不正使用の態様及び内容が明示され、かつ、証拠書類等の添付により相当の信憑性があると思われる場合に限り、受け付けるものとする。この場合において、当該告発者に対しての本規程に規定する通知及び報告は行わないものとする。
5 告発窓口は、告発の受付に当たり、告発者及び調査対象者の保護を徹底しなければならない。
6 通報者の保護に関しては、高知県公立大学法人公益通報者保護規程に準じて取り扱うものとする。 
(職権による調査)
第12条の2 学長は、告発の有無にかかわらず、相当の信頼性のある情報に基づき研究費不正があると疑われる場合は、当該行為に係る調査の開始を不正防止委員会に命ずることができる。
(予備調査)
第13条 不正防止委員会は、前条及び前条の2による告発を受け付けた場合は、告発等の内容の合理性を確認及び調査の要否を判断するため、予備調査の実施を総務部長および総務部財務課長(以下「予備調査委員」という。)に依頼しなければならない。
2 予備調査の依頼を受けた予備調査委員は、速やかに予備調査を実施する。
3 予備調査委員は、予備調査にあたり、次の各号に掲げる事項を行うものとする。
(1)告発者及び調査対象者等関係者からの聴取
(2)各種伝票、証拠書類、申請書等の関係書類の精査
(3)その他調査に必要な事項
4 予備調査委員は、予備調査終了後、速やかに予備調査結果を不正防止委員会に報告するものとする。
5 不正防止委員会は、前項による報告を受け付けた場合は、告発等の受付から30日以内に、調査の要否を判断するとともに、当該調査の要否を最高管理責任者及び配分機関に報告するものとする。
(調査決定の通知)
第14条 最高管理責任者は、前条により調査を行うことが必要と判断したときは、その旨を告発者及び調査対象者に通知するとともに、本調査への協力を求めるものとする。この場合において、告発者のうち、氏名の秘匿を希望したものに対しては、通報窓口を通じて通知するものとする。
(調査中の一時執行停止)
第15条 最高管理責任者は、第13条により調査を行うことが必要と判断した場合は、調査対象制度の研究費の使用停止を命ずる。
(本調査)
第16条 最高管理責任者は、第13条により調査を行うことが必要と判断した場合は、不正防止委員会に調査を命じなければならない。
2 不正防止委員会は、調査を命じられてから原則30日以内に本調査を開始するものとし、「研究費不正調査・対応委員会」(以下、「調査委員会」という。) を設置し、速やかに本調査を実施しなければならない。
3 委員の氏名については、調査の終了後に公開する。
4 調査委員会の事務は、教育・学生支援部が行う。
(調査委員会の組織)
第17条 調査委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1)不正防止委員長が指名する不正防止委員会の委員 2名以上
(2)経費統括管理責任者
(3)告発者、調査対象者と直接の利害関係を有しない本学の教員で最高管理責任者が指名する者
(4)告発者、調査対象者と直接の利害関係を有しない本学の一般職員で最高管理責任者が指名する者
(5)本学及び告発者、調査対象者と直接の利害関係を有しない本学の教職員等以外の者で最高管理責任者が任命する者
2 委員の半数以上は、本学の教職員以外の者でなければならない。
(委員長)
第18条 調査委員会に委員長を置く。
2 委員長は、委員の中から不正防止委員長が指名する。
(調査の実施)
第19条 調査委員会は、調査の実施に際し、調査方針、調査対象及び方法について不正防止委員会に報告しなければならない。
2 不正防止委員会は、前項の報告を受けたときは、調査方針、調査対象及び方法について速やかに学長及び配分機関に報告、協議しなければならない。
3 調査委員会は、調査対象者に対し、関係資料の提出、事実の証明、事情聴取その他調査に必要な事項を求めることができる。
4 調査委員会は、関連する部局長等に対し、調査協力等適切な対応を指示することができる。
5 調査委員会は、事実関係の調査のため必要と認められる場合は、取引の相手方からも聞き取り調査を行う。
6 委員長は、不正防止委員会の求めに応じ、調査の終了前であっても、調査の進捗状況及び調査の中間報告を不正防止委員会に提出する。
(認定)
第20条 調査委員会は、前条に定める調査に基づき、不正の有無及び不正の内容、関与した者及びその関与の程度、不正使用の相当額等について認定する。また、不正使用が存在しなかったと認定する場合において、調査を通じて告発が27条の告発に該当することが明らかであるときは、併せてその旨の認定を行う。
2 前項の認定に当たっては、調査対象者に対し、書面又は口頭による弁明の機会を与えなければならない。
3 委員長は、事実関係及び不正の認定結果並びに不正防止の対応策について不正防止委員会に報告し、不正防止委員長は不正防止委員会で審議の上学長に報告しなければならない。
4 委員長は、調査の過程であっても、不正の事実が一部でも確認された場合には、速やかに認定し、不正防止委員会及び学長に報告する。
5 最高管理責任者は、対応を決定するとともに事実関係及び不正の認定結果について、理事長、告発者、調査対象者及びその所属機関の長(告発者及び調査対象者が本学以外の所属である場合に限る。)に通知しなければならない。この場合において、告発者のうち、氏名の秘匿を希望したものに対しては、通報窓口を通じて通知するものとする。
(不服申し立て)
第21条 告発者又は調査対象者は、前条の認定に対して不服があるときは、その認定について通知の日の翌日から起算して14日以内に文書により不正防止委員会に不服申立てをすることができる。ただし、当該期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返して行うことはできない。
2 不正防止委員会は、前項による不服申立てを受理したときは、最高管理責任者にその内容を報告するとともに、調査委員会に対して審査を命じるとともに、告発者から不服申立てがあった場合は調査対象者へ、調査対象者から不服申立てがあった場合は、告発者に通知する。この場合において、告発者のうち、氏名の秘匿を希望したものに対しては、通報窓口を通じて通知するものとする。
3 調査委員会は、不服申立てについて、趣旨、理由等を勘案し、速やかに再調査の必要性を審査し、不正防止委員会に報告する。また、不正防止委員会は、審査の結果を告発者及び調査対象者に通知する。この場合において、告発者のうち、氏名の秘匿を希望したものに対しては、通報窓口を通じて通知するものとする。
(再調査等)
第22条 不正防止委員会は、前条の審査により、再調査の必要がある旨の報告を受けた場合は、速やかに調査委員会に再調査を開始するように命じるものとする。
2 調査委員会は、前項の再調査を命じられたときは、再調査、審理、認定及び報告を行わなければならない。この場合、第19条及び第20条の規定を準用する。
3 告発者及び調査対象者は、第2項の認定に対して不服を申し立てることはできない。
(配分機関への報告及び調査への協力) 
第23条 最高管理責任者は、告発等の受付から210日以内に、調査結果、不正発生要因、不正に関与した者が関わる他の公的研究費における管理・体制の状況、再発防止計画等を含む最終報告書を配分機関に提出する。期限までに調査が完了しない場合であっても、調査の中間報告を配分機関に提出する。
2 最高管理責任者は、調査の過程であっても、不正の事実が一部でも確認された場合には、速やかに認定し、配分機関に報告する。
3 最高管理責任者は、配分機関の求めに応じ、調査の終了前であっても、調査の進捗状況及び調査の中間報告を当該配分機関に提出する。
4 最高管理責任者は、調査に支障がある等、正当な事由がある場合を除き、当該事案に係る資料の提出または閲覧、現地調査に応じる。
(処分)
第24条 最高管理責任者は、不正使用が認定された場合において、不正使用を行った者又は不正使用を行った者に対する監督責任があると認められる者について、懲戒処分の検討の必要を認めたときは、高知県公立大学法人職員の懲戒等に関する規程第4条第4項に準じて理事長に対して審査請求を行い、これを受けて理事長は、同規程に基づき懲戒処分の措置を講ずるものとする。
2 理事長は、不正使用が認定された場合には、必要に応じて、告訴又は損害賠償請求等の措置を講ずるものとする。
3 理事長は、不正使用において不正な取引及び行為にかかわった業者の存在が認定された場合は、高知県公立大学法人契約事務取扱規程第3条第2項に基づいた措置を講ずる。
(公表)
第25条 最高管理責任者は、調査対象者が高知県公立大学法人職員の懲戒等に関する規程に基づいて処分を受けたときは、教育研究審議会にてその内容を報告するものとする。
2 最高管理責任者は、調査の結果、不正を認定した場合は、速やかに調査結果を公表する。
(告発者及び調査協力者の保護及び名誉の回復)
第26条 最高管理責任者は、不正使用に関する告発者及び調査協力者が告発又は情報提供を行ったことを理由として、いかなる不利益な取扱いも受けることがないよう、必要な措置を講ずるとともに、告発者及び調査協力者の職場環境等の保全に努めなければならない。
2 最高管理責任者は、不正使用が存在しなかったことが認定された場合は、調査対象者の名誉回復のために、十分な措置をとらなければならない。
(告発の濫用禁止)
第27条 何人も、虚偽の告発、他人を誹謗中傷する告発その他不正の目的による告発を行ってはならない。最高管理責任者は、そのような告発を行った者に対し、就業規則等に基づき、必要な処分を行うことができる。
(守秘義務)
第28条 この規程に基づき不正使用の調査等に携わった者は、その職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
附 則
 この規程は、令和3年4月1日から施行する。
附 則
 この規程は、令和5年2月1日から施行する。
附 則  
1 この規程は、令和6年4月1日から施行する。
2 改正後の規定は、令和6年4月1日以後に受理された申立てについて適用し、同日前に受理された申立てについては、なお従前の例による。